1950年代のドイツのどこか、ある街角で出会った古い戦友。
昼食を済ませてドイツ娘を連れてカフェから出てきた英軍戦車将校と古いオートバイに乗った情報将校。

「おいハリー、暫くだな。Vデー以来か、今如何しているんだい?」
「おー、ロンじゃないか、元気そうだ。転属でな、これから司令部へ出頭するところだ。」
「ほー羨ましい、本国へご帰還か?御大層だな」
「いやその反対だ、日本へ行くんだ。おまえこそ外車なんか乗りまわして羽振りが良さそうじゃないか。
  ところで隣の別嬪さんは誰だい?」
「紹介するよ、エーディットっていうんだ。通信部に勤務していてね、来週結婚するんだ。」
「よろしく、ハリー」
  「こちらこそよろしくな、そいつはあたらしもの好きなんだ。気をつけろよ、エ、エ、エーデッ???」
「エーディットだ。ドイツの女性は最高だぜ。何たって美人で、気立ては優しいし、健康だし、料理は上手いし。
  ところでお前さん、まだだったよな。選ぶなら西ドイツ製に限るぜ、俺が保証するよ。」
 
 

「ハイハイごちそうさん。俺は国産派なんだよ、やっぱり英国淑女はいい。」
「やれやれ、そんな事言っていると今に化石になっちまうぞ。」
「ははは、それじゃぁ俺は日本製にするか。今なら為替レートも安いしなぁ」
「わははははは、日本製?そりゃ、赤軍相手に豆鉄砲みたいだ。悪い冗談だぜ。」
「あははは、全くだ。そんじゃな、お二人さん、お幸せに」


 といって、古いトライアンフに跨り、ハリーは日本へ旅立つのであった。
ちなみに20年後、彼らは日本製の自動車を愛用することになる。でめたしでめたし。

製作・文 小高洋一氏    >>>Website: El Batallador~戦闘王

         
 
 
 
         
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